AlloyDB Query Insightsは、Google CloudのマネージドPostgreSQLサービス「AlloyDB for PostgreSQL」に組み込まれたクエリ監視・分析機能です。データベースのパフォーマンス最適化に役立つ重要なツールとして位置づけられています。
主要な機能
1. クエリ統計の可視化
- 実行頻度の追跡: どのクエリがどの程度の頻度で実行されているかを監視
- レスポンス時間の測定: 各クエリの実行時間を詳細に記録
- リソース使用量の分析: CPU、メモリ、I/Oの使用状況を可視化
2. 実行計画の詳細分析
- EXPLAIN ANALYZE相当の情報: 実際の実行時統計を含む詳細な実行計画
- プランノードの詳細: 各処理ステップでの実際の行数、実行時間
- ボトルネックの特定: 最も時間のかかる処理やスキャン行数の多い処理をハイライト
3. サンプリング機能
- 自動サンプリング: 設定可能なサンプリングレート(1〜20クエリ/分、デフォルト5)
- 代表的なクエリの抽出: 全クエリではなく、パフォーマンスに影響を与える重要なクエリを自動選択
特徴的な機能
パフォーマンス問題の自動検出
- Highest Latency: 最も実行時間の長いクエリを自動識別
- Highest Row Count: 最も多くの行をスキャンしているクエリを特定
- 統計情報の不整合検出: Plan RowsとActual Rowsの差異を表示し、統計情報更新の必要性を示唆
高度な実行計画分析
- External Merge検出
- work_mem不足によるディスクソートの検出
- Sort Method: external mergeの表示
- パフォーマンス改善のヒント提供
- Parallel処理の監視
- Worker数の表示
- 並列実行の効果測定
- Bitmap Scan分析
- Lossy Bitmap Heap Scanの検出
- Index Recheckによる除外行数の表示
- Partition Pruning分析
- 静的・動的パーティション除外の可視化
- 実際にスキャンされたパーティションの特定
高度なQuery Insights
拡張機能
- 待機イベントの統計: より詳細なパフォーマンス分析
- アクティブクエリの分析: リアルタイムでの実行中クエリ監視
- 長いSQLコマンドのキャプチャ: より複雑なクエリの完全な記録
データ保持期間
- 標準版: 7日間
- 高度版: 30日間
利用上の考慮事項
制限事項
- サンプリングベースのため、全クエリが記録されるわけではない
- 高度版の有効化にはインスタンスの再起動が必要
- 追加ストレージ容量(約180GB〜最大700GB)が必要
最適化への活用方法
- 統計情報の更新: Plan RowsとActual Rowsの差異からANALYZE実行の必要性を判断
- work_memの調整: External MergeやLossy Bitmap Scanの検出による適切なメモリ設定
- インデックス戦略の見直し: スキャン方法の分析による最適なインデックス設計
- パーティション戦略の評価: Partition Pruningの効果測定
他の監視ツールとの違い
AlloyDB Query Insightsは、PostgreSQL標準のpg_stat_statementsやEXPLAIN ANALYZEと比較して:
- 視覚的なインターフェース: グラフィカルな実行計画表示
- 自動的な問題検出: 手動分析不要のボトルネック特定
- 統合された監視: クエリレベルからインスタンスレベルまでの一元管理
- クラウドネイティブ: Google Cloudの他サービスとの連携
このように、AlloyDB Query Insightsは従来のデータベース監視ツールを大幅に進化させた、現代的なクエリパフォーマンス分析プラットフォームとして設計されています。